Mar 20, 2010

「きみのみらい・みらいのきみ」公開記念トークイベント 続き


講演内容
未来を作るのはこどもたち、こどもたちへのメッセージです。大人の人は我慢して聞いてくださいとの前置きで始まった。

その1
そとあそびをすること
まず体を鍛えることが大事。体重の増量グラフとそれを速度で微分したグラフの説明。人間の体の成長のために一番大切なときが、3歳から6歳くらい。その後大人になるための成長の時期が15歳。この3歳から6歳の間にそとで遊ぶのが大事。これはスポーツで体を鍛えるのとは違う。クラブ活動のような スポーツだとどうしてもがんばってやりすぎてしまう。一番いいのが鬼ごっこ。家の中じゃなく外で遊べば、友達とふざけても怒られないし、疲れたら鬼につか まって自分が鬼になって休めばいい。自分で自分の体の様子を確認しながら、体を鍛えることができる。

その2
ほんをよむこと
自分の好きなことについて調べて、それについての本をよむこと。ただ読むだけでなく、読んだらその内容を友達に話すこと。気に入った文章があった らお風呂で口に出して練習してみる。わかりやすく友達に伝えられるように工夫する。こちらも脳の増量グラフと速度で微分したグラフについて説明。大人がいくら頑張っても脳の重さは増えない。3歳、6歳、15歳くらいでぐんと増える山がある。この時にたくさん吸収すること。

その3
うちのおてつだいをすること
大人になってから大切なことは、正しいと思ったことを人にうまく伝えて効果をあげること。例えば学級会で、みんなで運動会で何をやるかを話しあっ てる時に、読書会がやりたいといっても、みんなあきれて聞いてくれない。それ自体がどんなにいい考えでも、言うべき時がいつかということを自分で考えて行 動しなければ意味がない。そのために一番いい練習が家のお手伝い。これをやりなさいと言われてやるのではだめ。褒められるからやるのでもない。例えば、お母さんが夕飯の支度をしていたら、今自分ができることやるべきことはなにかを考えて判断して必要なことをやる。お皿を準備するとか、食事後かたづけとか。 他の人の気持ちや様子を見て自分がやるべきことを察知すること、考えるだけではなく行動することは大人になったとき、とっても役に立つ。

最後に質問コーナー。子どもたちの質問がとても鋭くて面白かった。どうしてだるまちゃんを絵本にしようと思ったのかという質問。かこさんは、戦後、海外の絵本が手に入るようになって、いろいろな国の絵本を読んだ。他の国の絵本はカラフルできれいでこういうものを作りたいと思った。そして、子どもが慣れ親しんでいるその土地その土地のおもちゃが主役の絵本がたくさんあった。日本の代表的なおもちゃでも絵本を作ってみたいと思ったことからだるまを選んだとのこと。

事前に申し込み段階のアンケートでかこさんへの質問を書く欄があったのだけど、その中から、一緒に行った友人の質問が選ばれた!質問内容は事前に教えてもらってたのだけどその時点でも、すごくいい質問だなあ、私は全然思いつかなかった!と感動してたので、選ばれてうれしかった。

友人の質問
かこさとしさんの絵本を読んで育ちました。ぜひかこさんにお会いしたく、申し込みます。私たちの育った高度成長時代は科学が全盛でしたが、現在は 状況がかわり子供の科学離れも顕著だと聞きます。かこさんの科学に対する考え方や、子供への伝え方などに変化はありますか?

かこさんの回答
(記憶が定かでないので、かこさんの言葉そのままではなく私が理解した内容です…)
まだまだ科学が不要になったとは思わない。例えば、いま自分が気になっているのは経済のこと(ここで温暖化よりもといったのが印象的だった)。まだまだ貧しい人が世界にはたくさんいる。人口はどんどん増えているのに食料問題は解決していない。一度自分で計算したことがあるが、どうやっても人口増加率に食料の生産量が追いつかない。このような問題が解決していないということは、経済の分野の研究が「科学的」に行われていないということではないか。科学が必要でない世の中だとは到底思えない。むしろもっともっと「科学的」に考えないといけない。

というようなことをおっしゃっていたと思います。いやー、熱かった!感動した!かこさんは、「本当のこと」が知りたくて、「本当のこと」を子どもたちに伝えたくて、いろんな勉強をして、それを作品にしていたんだなあということがわかった。そして、その知識を困っている人を助けるために使わないといけない、かこさんのメッセージを私はそのように受け取った。

その後、買った本。この本を読むと、一冊の絵本のために、かこさんがものすごく研究を重ね、勉強していたかがわかる。ここまでやるか?ここまで考えるか?と驚いた。本当に経済まで勉強してるんだもの。すごい。資料もたくさん載っていておすすめ。
『絵本への道―遊びの世界から科学の絵本へ』
http://www.amazon.co.jp/dp/4834016064

「きみのみらい・みらいのきみ」公開記念トークイベント

「きみのみらい・みらいのきみ」公開記念トークイベント@日本科学未来館http://www.miraikan.jst.go.jp/spevent/yourfuture/
http://www.miraikan.jst.go.jp/event/100205124187.html
行ってきました。いま40歳以下の人で、かこさとし(加古里子)の絵本を読まずに大人になった人はいないんじゃないかな。たくさんある絵本については、それぞれの心の中に思うところがあると思うので、もう何も言いますまい。ただ、あまり知られてなくて、私の大好きな本があるので1冊だけ。「科学者の目」という本。この本は、私が小学校高学年の頃に読んだ本ですが、いまだに読む度に胸がいっぱいになる。かこさんの熱い思いが絵本よりダイレクトに伝わってくる素晴らしい本。ぜひ一家に一冊。自分の人 格を形成した数冊の本があるとすれば、間違いなくこの本をそのひとつとしてあげると思う。
http://www.amazon.co.jp/dp/4494026360
http://www.kanshin.com/keyword/370364

講演は素晴らしくて、聞いている間ずっと感動でうるうるしていた。この講演、みんなにも聞いて欲しいなあ、子供にも聞かせたいなあ、でもあの高齢 で全国回るのも限界あるだろうし、とか思って、はたと気づいたんだけど、実は講演なんて必要ないじゃないか、私たち子供の頃から十分かこさんの思いを受け取っているし、かこさんが死んだ後もずっとずっと絵本によって未来の子供にもわかりやすく伝えていけるじゃないか、とも思った。それってほんとにすごいことだよねー。偉業とはこのことを言うのだろう。(とはいえ、せっかくの講演。動画配信とかしてもらえないのかしら)

講演内容は別にまとめるとして、まずかこさんがどうして絵本を書き始めたかの話。サラリーマン時代の川崎の子ども会での活動がきっかけだったという話は以前にも何かで読んだことがあったのだけど、それよりももっともっと深い動機。かこさんは、子供の頃、自然や絵が大好きだった。もっといろんなこと が知りたくなって、本もたくさん読みたかったけれど、家が貧しくて文化的なものに触れることができなかった。だから学校の図書室に通ってたくさん本を読むようになった。同時に、かこさんはトンボが大好きでその結果飛行機にも興味をもつようになった。その時代、飛行機に乗ろうと思ったら軍人になるしかない。 そう思ったかこさんはばりばりの軍国少年となり、図書室に通うような軟弱なことではいかん!と思いこみ、図書室通いを封印してしまった。結局かこさんは視力が悪かったために軍人になることはできなかった。しかし、士官学校へ行った友達、軍人になって飛行機に乗った友達は死んでしまった。

かこさんは「時代がどうのとかそんなことは関係ない。誰のせいでもない、自分自身が図書館に行くのをやめて、ちゃんと知識を得なかったせいで、世界のことをよく見ないで間違った判断(軍人になろうと思ったこと)をしてしまった。自分のように間違った判断をしないように子どもたちを賢く育てないといけない。軍人になろうとしてなれずに生き残った自分がやるべきことはそれだ」と思った。そして、どうやったら子どもたちに自分の話を聞いてもらえるか一生懸命考えた。面白くてわくわくする、トンボやザリガニに負けない絵本を作ろうとがんばった。子供たちはああしろこうしろなんて言わない、面白ければ話を聞いてくれるし、面白くなければぷいっと外に遊びに行ってしまうだけ。すごくいい先生だった。だから、自分の本が面白いと言ってもらえるのは、自分の才能な んかじゃなくて、子供たちがそうやって教えてくれたおかげ。

とりあえずここまで。あの読んでいるとうきうきと心が弾んでくるかこさんの絵本の誕生にこのような贖罪の意識が関係しているとは知らなかった。物事の本質を追求すること。ほんとうのことを知ろうとすること。伝えようとしてたことはこのことだったんだね。講演の内容はまたまとめます。

Mar 5, 2010

4minute LIVE Energy Vol.0 "Initial Experience"@Shibuy AX


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MCはなぜか赤坂秦彦。去年9月に韓国で見た時より貫禄がでてきたような気がした。客層がこれまで見た韓国アイドルの中で一番若かった。オバ&男が少なくて女子中高生たくさん。若い女の子に人気があるっていうのは今後が期待できる気がする。