Apr 27, 2010

「息もできない」 ヤン・イクチュン監督

똥파리 Breathless
양익준. Yang Ik-Jun
韓国映画「息もできない」。原題は「糞蝿」というものすごいタイトルだが、タイトルとは正反対の最高に美しい映画。すごくよかった!どうしようもないチンピラが勝気な女子高生と出会って少しずつ変わっていくが…というお話。

冷静に振り返ってみると、映画の構成は荒削りで、冗長な印象もあるのだけど、それを上回る面白さ。全体にあふれる感情の爆発に見ている方も巻き込まれてしまう。政治的・思想的な背景に引きずり込まれそうなテーマにもかかわらず、そうなっていないところが新しい。監督は88万ウォン世代?(386世代の次の世代)だからかな。相変わらず、韓国映画の俳優はみな素晴らしくて、監督で主演のヤン・イクチュンは、本当にこういう人なのかと思ってしまうほど (でも、あとでインタビューなど見ると役柄とは全然違ってかわいらしい人)。女子高生役のキム・コッピ、あのふくらはぎの太さにやられた。それにしても、 この映画、韓国の人から見て、どの程度のリアリティがあるものなんだろうか。

この映画について友達と話していたら「竜二」というキーワードが出てきた。この映画見終わった後、私が思い出したのも「竜二」のオマージュ作と言われている長渕剛の「とんぼ」というドラマ。で、早速「竜二」を見てみた。金子正次監督の鬼気迫る演技と政治や時代的背景などはあまり感じさせず、人間の業と心の底を描いているところに「息もできない」と通じるものを感じた。



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