講演内容
未来を作るのはこどもたち、こどもたちへのメッセージです。大人の人は我慢して聞いてくださいとの前置きで始まった。
その1
そとあそびをすること
まず体を鍛えることが大事。体重の増量グラフとそれを速度で微分したグラフの説明。人間の体の成長のために一番大切なときが、3歳から6歳くらい。その後大人になるための成長の時期が15歳。この3歳から6歳の間にそとで遊ぶのが大事。これはスポーツで体を鍛えるのとは違う。クラブ活動のような スポーツだとどうしてもがんばってやりすぎてしまう。一番いいのが鬼ごっこ。家の中じゃなく外で遊べば、友達とふざけても怒られないし、疲れたら鬼につか まって自分が鬼になって休めばいい。自分で自分の体の様子を確認しながら、体を鍛えることができる。
その2
ほんをよむこと
自分の好きなことについて調べて、それについての本をよむこと。ただ読むだけでなく、読んだらその内容を友達に話すこと。気に入った文章があった らお風呂で口に出して練習してみる。わかりやすく友達に伝えられるように工夫する。こちらも脳の増量グラフと速度で微分したグラフについて説明。大人がいくら頑張っても脳の重さは増えない。3歳、6歳、15歳くらいでぐんと増える山がある。この時にたくさん吸収すること。
その3
うちのおてつだいをすること
大人になってから大切なことは、正しいと思ったことを人にうまく伝えて効果をあげること。例えば学級会で、みんなで運動会で何をやるかを話しあっ てる時に、読書会がやりたいといっても、みんなあきれて聞いてくれない。それ自体がどんなにいい考えでも、言うべき時がいつかということを自分で考えて行 動しなければ意味がない。そのために一番いい練習が家のお手伝い。これをやりなさいと言われてやるのではだめ。褒められるからやるのでもない。例えば、お母さんが夕飯の支度をしていたら、今自分ができることやるべきことはなにかを考えて判断して必要なことをやる。お皿を準備するとか、食事後かたづけとか。 他の人の気持ちや様子を見て自分がやるべきことを察知すること、考えるだけではなく行動することは大人になったとき、とっても役に立つ。
最後に質問コーナー。子どもたちの質問がとても鋭くて面白かった。どうしてだるまちゃんを絵本にしようと思ったのかという質問。かこさんは、戦後、海外の絵本が手に入るようになって、いろいろな国の絵本を読んだ。他の国の絵本はカラフルできれいでこういうものを作りたいと思った。そして、子どもが慣れ親しんでいるその土地その土地のおもちゃが主役の絵本がたくさんあった。日本の代表的なおもちゃでも絵本を作ってみたいと思ったことからだるまを選んだとのこと。
事前に申し込み段階のアンケートでかこさんへの質問を書く欄があったのだけど、その中から、一緒に行った友人の質問が選ばれた!質問内容は事前に教えてもらってたのだけどその時点でも、すごくいい質問だなあ、私は全然思いつかなかった!と感動してたので、選ばれてうれしかった。
友人の質問
かこさとしさんの絵本を読んで育ちました。ぜひかこさんにお会いしたく、申し込みます。私たちの育った高度成長時代は科学が全盛でしたが、現在は 状況がかわり子供の科学離れも顕著だと聞きます。かこさんの科学に対する考え方や、子供への伝え方などに変化はありますか?
かこさんの回答
(記憶が定かでないので、かこさんの言葉そのままではなく私が理解した内容です…)
まだまだ科学が不要になったとは思わない。例えば、いま自分が気になっているのは経済のこと(ここで温暖化よりもといったのが印象的だった)。まだまだ貧しい人が世界にはたくさんいる。人口はどんどん増えているのに食料問題は解決していない。一度自分で計算したことがあるが、どうやっても人口増加率に食料の生産量が追いつかない。このような問題が解決していないということは、経済の分野の研究が「科学的」に行われていないということではないか。科学が必要でない世の中だとは到底思えない。むしろもっともっと「科学的」に考えないといけない。
というようなことをおっしゃっていたと思います。いやー、熱かった!感動した!かこさんは、「本当のこと」が知りたくて、「本当のこと」を子どもたちに伝えたくて、いろんな勉強をして、それを作品にしていたんだなあということがわかった。そして、その知識を困っている人を助けるために使わないといけない、かこさんのメッセージを私はそのように受け取った。
その後、買った本。この本を読むと、一冊の絵本のために、かこさんがものすごく研究を重ね、勉強していたかがわかる。ここまでやるか?ここまで考えるか?と驚いた。本当に経済まで勉強してるんだもの。すごい。資料もたくさん載っていておすすめ。
『絵本への道―遊びの世界から科学の絵本へ』
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